家づくり

大手ハウスメーカーの基礎は布基礎、ベタ基礎どちらが優れている?

こんにちは、ワンワンです。

いつもは1級建築士対策、建築士になる道、ワンワン自身のことを書くことが多かったですが、新しいことについて書いていきたいと思い、家作りについての情報を追加していきます。

ハウスメーカーで家づくりを考えて色んな情報を目にすることがあると思います。その中で基礎について悩まれていませんか。

布基礎が優れている、ベタ基礎が優れているなど色んな情報がインターネットで調べれます。ワンワンも調べていましたが、正しい情報もあればどうかなという首をかしげる情報まで色々あります。

ここで結果論として言うと、布基礎、べた基礎のどちらかが優れているというのはありません。それぞれに特徴はあります。そして、地盤の状況、コストなど様々な条件と基礎の特性を見て基礎を決めていきます。

ベタ基礎が優れているから何でもベタ基礎にしますという基礎の選択をする設計者がいれば、何も構造設計について知らない設計者ですね。まあ、そんな設計者はいないと思いますが。

特に大手ハウスメーカーの基礎は、布基礎かベタ基礎に地盤によってはプラスして地盤改良という形が多いですね。今回はそんなハウスメーカーの基礎について話していきます。

この記事では、

  • 大手ハウスメーカーの基礎について

構造設計を専門に仕事をしているワンワンが解説していきます。

ワンワン
ワンワン
家つくりの肝となる基礎について少しでも分かってもらえたら幸いです。そして家づくりの中でハウスメーカの選択をする助力になれば嬉しいです。

基礎の役割について

基礎の役割は、建物の重量や建物が受ける地震、風の力を柱。梁。耐力壁を通して基礎、そして地盤までしっかり伝えることです。そして建物を十分に支えれる地盤の深さまで基礎を伸ばしていくことが重要です。

この建物を十分に支えられる地盤は、建物の重さに応じて支持する地盤を決めます。住宅のように小さい重量の建物であれば、地盤の深さが浅い地盤で支えられることが多いので、よく見る布基礎、ベタ基礎が多いですね。

分譲マンションなどの大きな建物は建物重量が重いので、建物重量を十分に支えられる地盤が深い所になるので、杭基礎を使うことが多いです。

マンションの規模や地盤にもよりますけど、ワンワンの経験では40mくらいの長さの杭を使うこともありました。

このように建物の重さや地盤の状況などの諸条件に応じて、基礎をどの基礎にするかを考えます。

杭基礎・独立基礎・布基礎・べた基礎について

色んな基礎がありますが、大きく2種類に分けます。

  • 直接基礎
  • 杭基礎

杭基礎は杭を使った基礎です。建物重量や地震の力などを杭で受けて、地盤まで伝えます。下図で転がっているのが杭ですね。

そして直接基礎は3種類あります。基礎を地盤に置いて、建物重量や自身の力などを直接地盤に伝えます。

  • 独立基礎
  • 布基礎
  • ベタ基礎

独立基礎は直方体の基礎となります。小さな基礎で大丈夫かなあと不安になるかもしれませんが、地盤状態が良ければこの独立基礎でも十分です。独立基礎は建物重量を点で受ける形です。

布基礎は逆T字型になる基礎で、軽量鉄骨造のハウスメーカーでよく見られます。この基礎は直線で連続するのが特徴です。布基礎は建物重量を線で受ける形です。

ベタ基礎は基礎部分が床のように全体に広がっている基礎です。この基礎は木造住宅でよく多い基礎です。ベタ基礎は建物重量を平面で受ける形です。

基礎間は基礎梁(地中梁)という鉄筋コンリートの梁で繋いでます。基礎梁は

  • 建物重量を基礎に伝える
  • 1階床を支える
  • 建物基礎を一体にする

重要な役割があります。

ワンワン
ワンワン
過去に鉄筋コンクリート造2階建て独立基礎を採用しました。とても地盤が良かったら、木造、軽量鉄骨造より重い鉄筋コンクリート造でも独立基礎は可能となります。

なぜハウスメーカーの基礎は直接基礎なのか?

ハウスメーカーの建物が木造と軽量鉄骨造であることが多いので、この2種類の構造に限定してお話しします。

①戸建住宅は建物として規模が小さい。

これは建物規模が小さい事、用途が住宅である事により建物重量が小さい。そして建物重量が小さいという事は、深さが浅めの地盤で支えられることが大きいから直接基礎を採用ができるということです。

②木造と軽量鉄骨構造は軸組工法の建物である。

この軸組工法は、鉛直部材が柱と筋交い、またはブレースなどの耐力壁で構成されています。柱は鉛直方向の力、つまり建物の重量を支えます。そして、筋交い、ブレースなどの耐力壁は、地震や風の力に抵抗します。

このように軸組工法は明確に役割が別れています。

この軸組工法の特徴として柱が多く出てくる所です。そして柱を連続して短い間隔で並ぶ線状になるので、独立基礎は不向きになります。そのため布基礎、ベタ基礎のどちらかになります。

独立基礎もできない事は無いですが、ある程度の基礎間隔を飛ばさなければ行けないので色々と構造設計の知識が無いと難しいと思います。

軸組工法は柱が連続して並ぶので、そのまま柱→基礎梁→基礎→地盤まで連続して力を伝えれるから布基礎、ベタ基礎が適しています。

布基礎とべた基礎はどちらが強いのか?

これは地盤調査結果で出る地盤の強さに応じて設計します。地盤の強さに応じて基礎を設計するので、どちらの基礎でも地盤の強さ相応の基礎となっています。だから強度としてはどちらが優れているというのはありません。

地盤の強度と接地面の力について

2019/12/29 更新

基礎幅1.0mの接地圧が間違っていたので修正しました。

ワンワン
ワンワン
簡単な計算にするため芯で計算しています。本来なら基礎の外側のキョリから面積を出します。

ベタ基礎の方が布基礎より接地面が多いので、接地圧(建物重量/基礎の接地面の面積)が低くなります。そのため地耐力(地盤の強さ)よりも接地圧が低くなる可能性が布基礎より高いです。

ただ布基礎でも接地面を増やせば、べた基礎と同等の接地圧になります。またベタ基礎の方が布基礎より重いので、実状の接地圧の数値はもう少し上がってきます。

そして布基礎とベタ基礎はその接地圧からコンクリートの基礎重さを差し引いた力(地反力)に対して構造設計します。構造設計する内容として、コンクリート強度、鉄筋径、本数などを決めていきます。

上記の内容で構造設計するので、基礎の強さについて布基礎、べた基礎のどちらが強いのかというのはありません。どの基礎でも建物重量や地震、風の力に対して相応の構造設計をしているからです。

コストについて

布基礎は土間コンクリートという床を作ります。この土間コンクリートの役割は1階床と土間コンクリートの重さを直接地盤に支持するものとなります。見た目はベタ基礎みたいに見えますが、基礎となるのは布基礎部分だけです。

ベタ基礎も布基礎も最終的には同じような外観になります。

それに比べてベタ基礎はどうしても基礎部分のコンクリート量と鉄筋量が増えてくるので、布基礎よりコストが高くなる可能性が高いです。

(ただ様々な条件によっては、布基礎の方が高くなる可能性もあります。)

地盤沈下について

地盤地下についてはべた基礎が強いと言われます。理由としては基礎の平面と基礎梁がしっかりと繋がっているので、平面全体で支えることができます。そのため、一部が沈下しても基礎全体で抵抗できるので布基礎より強いと考えられます。

それに対して布基礎は線で抵抗するので、一部が沈下してもベタ基礎より沈下量が大きくなる傾向があります。

ただベタ基礎は布基礎より深い層の地盤まで影響を与えるので、支持する層より深い位置で弱い地盤があると注意が必要です。

そしてベタ基礎は地盤沈下については基礎全体で抵抗できますが、逆にいうと基礎全てに影響を与えてくるので、建物全体への影響へと波及します。

逆に布基礎は、一部の沈下のみで建物への影響は局所的になります。

地盤沈下について考えると、ベタ基礎も布基礎も一長一短あります。だからこそ地盤の状況をしっかりと見て基礎を選定する必要があります。

地盤保証について(ワンワンが思う所)

究極を言うと、沈下する時は布基礎もべた基礎も沈下します。地盤沈下についてどうしても心配な方は地盤補強をしましょう。

今の住宅は地盤保証をつけています。地盤調査結果からこの基礎であれば地盤保証しますよという報告書を出してきます。地盤改良が必要な場合は地盤改良してくださいと指定があります。ハウスメーカーも地盤保証を付けていると思います。

住宅について基礎は設計者が決めるのではなく地盤保証会社が決める時代になってきたんかなあ、でもそれって設計なのか?とワンワンは思うことがあります。

地盤保証会社って地盤改良業者であることも多いし、そうでなくても地盤改良業者と繋がっているので地盤改良を使わすためにあるんじゃないかなあと時々思ってしまいます。

もちろん地盤改良した方が安全であるのは間違いないです。しかし、この報告書を色々見ているとよほど良い地盤じゃないと地盤改良になっていきますね。

それは構造設計じゃないのでは?というモヤモヤした気持ちも少しあります。そういう時代なんだと今は思っています。

なぜ大手ハウスメーカーに限定しているのか?

大手ハウスメーカーの家は、型式適合認定を取得している構造で家を建てています。この型式適合認定は、建物の構造の実験や構造計算を自社でして、その後第3者チェックを受けて合格したものとなります。

だから基礎も計算されているので問題はありませんし、基本的に大手ハウスメーカーであれば、各建物の構造計算チェックもしています。

ただハウスメーカーの中には、型式適合認定を取得していないので在来工法で家を建てている所もあります。その建物全てが構造計算されているのであれば良いのです。

しかし、構造計算されていない場合もあります。

それが4号建築物です。4号建築物はいわゆる小規模の建物となります。住宅に関わる部分で言うと、

  • 木造2階建て以下、延べ床面積500㎡以下、建物高さ13m以下、軒の高さ9m以下
  • 木造以外の平屋建て、延べ面積200㎡以下

木造2階建てや鉄骨造の平屋建てで条件に合えば構造計算は必要ありません。

建物は建築基準法に準じています。しかし構造計算されていない事、そして構造設計の知識がある人がいない場合があるので、適切な部材構成をしているかどうかはあやふやです。

だから、今回は大手ハウスメーカーと限定しました。もちろん、工務店や中小ハウスメーカーでも構造計算をちゃんとやっている会社もあります。基本的には、構造計算をした家を買う事をお勧めします。

ワンワン
ワンワン
この4号建築物の構造計算については業界でも問題にはなっています。ただ、構造計算を4号建築物に適用というのは、まだまだ険しそうです。

「大手ハウスメーカーの基礎は布基礎、ベタ基礎どちらが優れている?」まとめ

布基礎、ベタ基礎には一長一短があります。その地盤の状況に応じて基礎を選定することが大切になってきます。

また地盤の強さに応じて基礎を設計するので、どちらの基礎でも地盤の強さ相応の基礎となっています。だから強度としてはどちらが優れているというのはありません。

大手ハウスメーカーの基礎はその建物の重量、地震、風の力に対して構造設計がされています。地盤については、地盤業者の地盤保証がついてきます。

木造、軽量鉄骨造について知りたいあなたは、こちらをお読みください。

軽量鉄骨造 木造 どちらが優れているのかこんにちは、ワンワンです。 家を建てようとする時に悩む問題の一つが木造の家、軽量鉄骨の家のどちらにするか悩んでいませんか。 ...

ベタ基礎の底盤と布基礎の土間コンクリート床の違いについて知りたいあなたは、こちらをお読みください。

ベタ基礎の底盤部分と布基礎の土間コンクリート床の違いこんにちは、ワンワンです。 家の構造で大切な所と言えば基礎ですね。木造の家であればベタ基礎、軽量鉄骨の家であれば布基礎が多いです。...