こんにちは、ワンワンです。
今は色々なハウスメーカー、工務店、設計事務所がある中で、どこに家を頼もうか悩む事はあるかと思います。
どこに依頼するかという事にプラスして、木造、鉄骨、鉄筋コンクリートのどの材料で建てたらいいのか?と考えれば考えるほど分からなくなってくるのではないでしょうか。
またそこから細かく、例えば木造の在来工法、モノコック構法。。。。。。と。
調べれば調べるほど悩みはつきない、決めれないとなっていきます。
そこでワンワンは少しづつですが、色んな構法、材料などについて構造設計の立場から分かりやすく解説していき、少しでも家で悩むあなたの助力になれば幸いです。
今回は、その中でモノコック構法に焦点をあてます。
モノコック構法というモノを調べてみると、
- ミサワホーム
- 三井ホーム
- 一条工務店
- 地方工務店、ハウスメーカー
が構造体として採用しています。有名なハウスメーカーとしてはミサワホーム、三井ホーム、一条工務店ですかね。
そんな大手ハウスメーカーが採用している構法、「モノコック構法」について構造設計の観点の記事となります。
この記事では、
- モノコック構法
について構造設計を生業としているワンワンが解説していきます。
モノコック構法とは?

実はワンワン、構造設計の仕事をしていますが、「モノコック構法」という言葉は聞いた事が無かったのです。
家について調べるていくうちに「モノコック構法」という言葉を知るようになりました。
では、モノコックとはどういう意味でしょうか。
モノコック
- monocoque フランス語が起源 mono:単一 coque:貝殻
- 簡単に言うと、力を外板に負担させる事
- 自動車や航空機に使われる構造体用語
調べてみると車業界、飛行機業界で使われている用語のようです。では建築ではどのような意味なんでしょうか。
モノコック構法は、地震や風の力を壁に負担させている構造体、つまり壁式構造となります。
具体的に言いますと、筋交い、柱などの部材で負担するのではなく、全ての地震、風の力を壁だけで負担させる事になります。壁というのは構造壁となります。
壁式構造であれば、ワンワンもよく聞く言葉なので知っています。
これは木造だけでなく、鉄筋コンクリート造でも壁式構造があります。木造の場合だと2×4になりますね。
基本的には低層の建物(平家〜3階建てくらいが多い)に用いられることが多い構法となります。
モノコック構法の利点、欠点は?

モノコック構法の利点
モノコック構法の利点は壁だけで地震や風の力を負担させるため、建物の変形が小さい事にあります。
建物の変形が小さいという事は、地震などの揺れに対して損害が小さくなります。例えば、
- 外壁の損傷
- 開口部の損傷
- 内壁の損傷
- 構造体の損傷
となります。
色んな構法がある中で、モノコック構法(壁式構法)が最も優れていている所となります。
もう一つは室内がスッキリした形になります。これは鉄筋コンクリート造について言える事ですが、梁型が出ないので、凸凹した部屋にはならないことも利点の一つです。
モノコック構法の欠点
モノコック構法は構造体の壁配置が多くなる構法となります。
構造計算の考え方として、簡単にいうと地震エネルギーに対して強度と変形の面積で考える所があります。
- 強度を大きくして、変形を小さくする
- 強度を小さくして、変形を大きくする
①がモノコック構法となり、②がラーメン構法という柱梁で構成される構造体となります。
ここで言いたいのは、強度を大きくするためどうしても壁を多く配置しなければいけなくなります。
壁を多く配置しなければいけない → プランに制約が出てくる可能性が高い
という欠点があります。だから部屋を壁無しで大きく取りたいということが苦手な構法となっています。
もう一つはリフォームがしにくいという欠点があります。
これは構造体の壁のみで構成されるので、簡単に壁を無くしたり、開口を追加で空けたりができません。
簡単なクロス替えなどのリフォームはできますが、プランを変更する、部屋の広さを変更するなどのリフォームは厳しいです。
あとこれはある営業さんから聞いた話ですが、リフォームでエレベーターを付けたい場合、モノコック構法ではほとんど採用される事は無いと聞きました。
それだけ、モノコック構法での大きなリフォームは難しいと考えてください。
「家の構造体 モノコック構法とは?」まとめ
モノコック構法とは?
モノコック構法は、地震や風の力を壁に負担させている構造体、つまり壁式構造となります。
全ての地震、風の力を壁だけで負担させる事になります。壁というのは構造壁となります。
モノコック構法の利点
建物の変形が他の構法より小さい
モノコック構法の欠点
プランの制約が強い
リフォームがしにくい