こんにちは、ワンワンです。
家を建てようと考える時に、「平家建てで暮らしたいなあ」という憧れを抱くことはありませんか。
実はワンワンも「平家建てを建てれたらなあ」と思う事もありますし、家族で話していても「平屋建ていいよね」と話題に出てきます。
家を見れば、基本的に2階建てが多いです。最近は3階建てもよく見ますね。でも、平家ってあんまり見ないです。
よく田舎では見る事も多いですけど、都会ではなかなか見ることはないですね。だからこそ、平家に憧れるていう気持ちが出てきます。
そんな平家にもメリット・デメリットがあります。平家ならではの特徴を理解して、本当に平屋建てにするのかどうかを考える必要はあります。
そこで今回は平家建てのメリット、デメリットを構造設計の観点からも含めて解説していきます。
この記事では、
- 平屋建てのメリット・デメリット
について、一級建築士で構造設計に従事しているワンワンが解説していきます。
この記事の目次
平屋建てのメリット
地震・風に強い
これはそのままです。平屋建ては地震に強いです。
地震力の強さは、建物重量に比例して強くなります。そして建物重量の計算では下図のように建物の軒高さの約半分くらいの重さを考慮することになります。
明らかに2階建てより建物重量が小さくなることが分かります。
風圧力についても見付面積が小さくなるので、地震力と同様に2階建てより風荷重が小さくなります。
もちろんその地震力や風圧力に見合う耐力壁を入れれば2階建てと同じ性能となります、2階建ての1階部分と比べると、耐力壁の数とても少なくなります。
じゃあ、耐力壁の数が少ないままで良いかというとそうではいけないので、基本的には耐力壁の数を増やして余裕を持たせることが多いです。
また平屋建ては2階建てよ水平方向の変形が小さくなるので、2階建てより安全ですし、建物の損傷も小さくなります。
もう一つは柱にも余裕がある事です。
これはどういう事かというと、柱は建物の重さを支えるために重要な役割を担っています。
木造を例とします。木造の柱は1階建ては105角サイズの柱を使います。実は2階建ても105角サイズの柱を使います。
しかし、2階建ての方が平家より重いので、柱が支えられる余裕が平家より小さくなります。逆にいうと平家は支える重さが2階建てより小さいので、柱に余裕があります。
余裕があるということは、想定外に大きな地震が来ても柱がしっかりと支えてくれます。
階段が無い
階段が無いというのは素晴らしいですね。
階段の上り下りをする必要が無いですし、小さな子供がいる家庭だと子供が階段から落ちるという心配がなくなります。
あと寝ぼけて階段から落ちる事も無いですし。。。(実体験より)
あとは老後になっても階段が無いため、大きな費用をかけてリフォームする必要がありません。平家だからこそのメリットになりますね。
大きな空間が取りやすい
平屋建ては上に屋根しかありません。屋根の重さは2階建てより軽いので、梁のスパンを飛ばすことが可能となります。梁の大きさも2階建てよりも抑えれますしね。
そして梁のスパンを飛ばす事で、大きな空間が取りやすくなります。もちろん勾配天井も可能です。
もちろん2階建て、3階建てでも可能ですが、かなり大きな梁を使わなければいけない可能性が高いです。
梁を大きくすると天井のふところでおさまるのか、天井を下げなければいけないのか、設備配管のルートは大丈夫かなど色々問題が出てきます。
平家建てのデメリット
土地面積が広くないと建てれない
実は平家建てを建てるには、ある程度の大きさのとちが必要となります。
これは建築基準法で定められた建蔽率を守らなければいけないからです。
建蔽率とは敷地面積に対して、建物の水平投影面積が規定の数値内におさまるように面積を設定しなければいけません。
建物の水平投影面積/敷地面積 × 100≦建蔽率(ex.60%,70%,80%など)
この建物水平投影面積とは、建物を真上から見たときの外形面積と考えてください。
ここで例として平屋建てで30坪(99m2)を建てたいと仮定します。その建てたいと考えている地域の建蔽率は60%と仮定します。その時に必要な敷地面積は、
30坪/60×100=50坪(165m2)
とかなり大きな敷地が無ければ、30坪の平屋建てを建てることができません。建蔽率は用途地域によって異なるので、役所で確認することができます。
平屋建てを建てたい場合は、まず土地選定とそれにかかる費用については必ずチェックしましょう。
周囲環境に左右されやすい
平屋建てを建てる場合は、周囲環境についてもチェックが必要です。
平屋建てのすぐそばに2階建ての家があると、日当たりやプライバシーの問題が出てきます。もちろん建築のプランである程度は避けることはできますが、避けられない部分も出てくるので注意が必要です。
また、平屋建ての場合は建物の大きさに対して敷地に余裕がある方が良いです。
日当たり、プライバシーなどを考えると敷地に余裕があればある程度は確保することは可能となります。
防犯上の問題が大きい
やはり平家なので、防犯上の問題が2階建てより大きくなります。
- 防犯ガラスの窓にする
- シャッターを設ける
- センサーライトをつける
- 防犯カメラをつける
- セコム、アルソックに入る
など防犯に対して何らかの対策は必要となります。
「平家を建てるメリット・デメリット」まとめ
メリット
- 地震・風に強い
- 階段が無い
- 大きな空間が取りやすい
デメリット
- 土地面積が広くないと建てれない
- 周囲環境に左右される
- 防犯上の問題が大きい