こんにちは、ワンワンです。
家を建てようと考えた時に、まずは土地から探さないといけませんね。土地を選ぶ条件として、
- 立地の良さ
- 金額
- 実家の近くだから
等の理由で決めようとしているあなた、ちょっと待ってください!
その土地で建てれる家の大きさは確認していますか?
実は土地には家が建てれる広さや高さが決まっています。それは建築基準法や都市計画法、条例によって定められています。
土地を買う前にあなたが必要としている家の広さが建てれるかどうかを確認していないと、買った後に狭い家しか建てられなかったというリスクがあります。
だから土地を購入する前に、設計事務所や工務店と相談する必要があります。
建築条件付き土地であれば、すでに建てる予定の工務店がいます。プランを提示していることが多いので、そのプランの広さで良いかどうかの判断となります。
この設計事務所・工務店で建てて欲しいと決まっているあなたは、土地を買う前に土地情報を設計事務所・工務店に伝えて、どのくらいの広さの家が建てれるか相談しましょう。
まだどこに依頼するか決まっていない場合は、不動産屋の知り合いの工務店を紹介してもらう事も可能です。
しかし、設計事務所や工務店を決めていなくて、あとでゆっくりと選びたいが土地だけは押さえたいあなたは、ある程度あなた自身で確認する必要が出てきます。
その時に確認が必要なところが
- 建蔽率
- 容積率
- 建築物の高さ
となります。まだ細かく確認が必要なところはありますが、大まかにはこの3つの確認となります。今回はその中の建蔽率について話していきます。
この記事では、
- 建蔽率
について、1級建築士のワンワンが解説していきます。
建蔽率とは?

建蔽率とは、敷地面積に対して建物面積に割合となります。
$$建蔽率=\frac{建物面積}{敷地面積}$$
掛け算と割り算ができれば、簡単に計算できます。電卓があれば一瞬ですね。
この式を変形すると
$$建築面積={建蔽率}×{敷地面積}$$
となります。つまり敷地面積に建蔽率を掛ければ良いわけです。
この建蔽率の限度が用途地域によって決められています。これはそれぞれの市役所で確認できますし、市役所のHPで確認できます。
この決められた建蔽率の数値を使います。
例えば、敷地面積が150m²,建蔽率を80%とすると、建てられる建築面積は、
$$建築面積={8/10}×{150}=120m²$$
となります。
建築面積とは?

建築面積とは、外壁または柱の中心線で囲まれた部分を建物を上から見て水平面に投影した面積(水平投影面積)となります。
そして軒、庇等の突出物は、先端から1mを後退した位置から面積参入となります。つまり、1m以内の軒や庇は建築面積に入りません。
また地階(地下階)についても地盤面上1m以下の場合は建築面積に入りません。

建蔽率の緩和条件
決められている建蔽率をより大きな数値にできる緩和条件があります。
- 防火地域内(建蔽率が80%以外)の耐火建築物
- 準防火地域内の耐火建築物、準耐火建築物(2019年8月施行)
このどちらかの条件をクリアすると+10%の建築面積緩和ができます。
防火地域と準防火地域というのは、都市計画法で定められている地域となります。都市部に指定されており、火災などに対して防止するための規制がある地域となります。
防火地域の方が準防火地域より規制が強いです。この地域については土地情報に載っていますし、市役所で確認ができます。
耐火建築物、準耐火建築物というのは、火災に対して強く、延焼範囲を広げないようにするために決められてた建物仕様となります。
この規制の強さは耐火建築物>準耐火建築物となります。
もう一つの緩和条件は、
- 特定行政庁が指定する街区の角にある敷地
の条件をクリアすると+10%の建築面積緩和を受けれます。
特定行政庁を簡単に言うと市役所、県庁と考えてください。
要約すると市役所、県庁が指定する角地は+10%の建築面積緩和を受けれますよということです。
例えば、建蔽率が60%とします。
- 防火地域で耐火建築物を建てる場合は、60%+10%=70%
- 特定行政庁が指定する角地に建てる場合は、60%+10%=70%
- 防火地域で耐火建築物、かつ特定行政庁がしてする角地に建てる場合、60%+10%+10%=80%
防火地域(耐火建築物)、準防火地域(準耐火建築物)で角地(特定行政庁が指定)の場合は、+20%の建築面積緩和となります。
これ以外に建蔽率80%と指定されている防火地域の耐火建築物は、建蔽率の規定が除外されます。つまり、建蔽率100%で建物を建てることが可能です。
民放234条1項に、建物を築造するには、境界線から50センチメートル以上の距離を保たなければならないと規定があります。
そのため、建蔽率100%で建てることは法律上、施工上難しいです。
2つの用途地域にまたがる場合

2つの用途地域にまたがる土地の場合は、それぞれの用途地域の建蔽率を用いて建築面積を計算します。
第1種住居地域
- 建蔽率 50%
- 敷地面積 10×20=200m²
- 建築面積 5/10×200=100m²
近隣商業地域
- 建蔽率 80%
- 敷地面積 10×20=200m²
- 建築面積 8/10×200=160m²
建築面積=100+160=260m²
防火地域、準防火地域がまたがる場合も決まりがあります。
- 防火地域とその他地域がまたがる場合は、建物が耐火建築物であればその敷地全てが防火地域となります。
- 準防火地域とその他地域(防火地域除く)場合は、建物が準耐火建築物であればその敷地全てが準防火地域となります。
「土地を購入するときは建蔽率をチェックすべし!緩和ルールを見逃さずに」まとめ
建蔽率とは?
$$建蔽率=\frac{建物面積}{敷地面積}$$
建築面積とは?
建築面積とは、外壁または柱の中心線で囲まれた部分を建物を上から見て水平面に投影した面積(水平投影面積)
建蔽率の緩和条件
- 防火地域内(建蔽率が80%以外)の耐火建築物
- 準防火地域内の耐火建築物、準耐火建築物(2019年8月施行)
- 特定行政庁が指定する街区の角にある敷地
2つの用途にまたがる場合
2つの用途地域にまたがる土地の場合は、それぞれの用途地域の建蔽率を用いて建築面積を計算します。
建蔽率の計算は難しくありません。簡易に電卓を使って建築面積を出してみましょう。建蔽率と容積率、建築物の高さの規定を知れば、ある程度の建物の建てれる大きさを知ることができます。