こんにちは、ワンワンです。
家を建てるとなると多くの人が木造になるかと思います。やはり木造は日本の気候に適した構造ですし、坪単価も安いですから多くの工務店、ハウスメーカーで建てることが可能です。
そんな木造ですが弱点があります。
それがシロアリです。シロアリは木を食べるので、構造体の柱や梁、筋交い等に被害を与えるます。
構造体がシロアリに食べられて断面欠損をすれば、それだけ耐震性能が低下するので、必ずシロアリ対策が必要となります。
そんなシロアリと木造のシロアリ対策について見ていきましょう。
この記事では、
- シロアリと木造の白蟻対策
について、1級建築士のワンワンが解説していきます。
シロアリとは
シロアリは昆虫網ゴキブリ目シロアリ科に分類され、元はゴキブリと同じでした。それが進化の過程で木などを食べるシロアリが出てきました。
シロアリと言われるのでアリの仲間かと言うとそうではありません。
しかし、アリと同様にシロアリの女王、働きシロアリ、兵隊シロアリと共に巣を作って生活をしています。だからアリと似た昆虫とも言えます。
そんなシロアリですが、日本では2種類のシロアリがいます。
- イエシロアリ
- ヤマトシロアリ
ヤマトシロアリは日本全国に生息していて、イエシロアリは神奈川県以西の海岸沿いに生息しています。
この2種類のシロアリが木造の家のシロアリ被害を出しています。シロアリ被害例としては、
- 土台
- 柱
- 壁
- 屋根
と家のあらゆる所に被害を与えていきます。
近年ではアメリカカンザイシロアリという外来種まで増えてきています。生息地は関東以西で見つかっており、家の木の部分を食べて被害を与えています。
シロアリ対策
シロアリに対して対策はどのようなものがあるでしょうか。
- 防腐防蟻薬剤の散布
- 加圧注入柱
- タームガード
- ベイト工法
この四つの対策がよく取られているシロアリ対策となります。
防腐防蟻薬剤の散布
これが一番多く採用されているシロアリ対策です。一番手間が掛からず、費用が安いという点があります。
これは地盤面から1mまでの高さの木部に防腐防蟻薬剤を散布します。この1mというのは建築基準法施行令第49条2項で決められた高さとなります。
この薬剤散布は最長5年ほどしか効果が無く、持続性が短いという欠点があります。
そのため、5年後には再び薬剤散布をしなければ防蟻効果がなくなることになります。その時は、床下の土台や1階床木部を薬剤散布する形になり、壁や柱には薬剤散布ができない形になります。
理由としては壁を壊して中の木材に薬剤散布というのは現実的にコスト、作業からして難しいからです。
あとは2階床部や屋根部は点検口から薬剤散布が可能となりますが、基本的には1階床下の薬剤散布になります。
加圧注入柱
これは新築時のみ適用できる方法です。いわゆる「緑の柱」というものです。
木材を注薬管に入れて、圧力をかけることで木材に薬剤を注入する方法となります。こおん加圧注入であれば、木部の中まで薬剤が注入されるため、効果が長い期間持続します。
効果の期間としては20〜30年程になりますが、メーカーによって様々です。
一条工務店では75年、ハウスガードシステムでは100年は効果があるとのことです。加圧注入の効果期間については、確認した方が良いですね。
この加圧注入はシロアリを殺す力があるのではなく、あくまでもシロアリに食べられない木材にするという効果となります。
この加圧注入の柱や壁を使うことで、シロアリから木造部材を守るということに効果があります。被害例も調べて見たらほとんど無いので、新築時では一番効果がある対策では無いでしょうか。
もちろん費用の方は薬剤散布より高くなりますが、薬剤散布の更新費用を考えれば新築時にお金をかけることも良いかもしれませんね。
タームガード
タームガードはオーストラリアで開発された防虫対策の方法です。
家の四周に防蟻薬剤用のパイプを配置し、土でパイプを埋めます。そうすることでパイプから防蟻薬剤が広がり、家の周りの土を防蟻処理します。また、この防蟻処理された土をシロアリが巣に持ち帰ることで、シロアリの巣を壊滅させることができます。
このタームガードは専用の薬剤注入口を1箇所を設けているので、5年ごとにその薬剤注入口から薬剤を注入するだけで、シロアリ対策の効果を持続します。
また、薬剤散布と違い注入口から薬剤を入れるだけなので、薬剤が空気中に広がらない安全性の高い工法となります。
ベイト工法
ベイト工法は簡単にいうとゴキブリホイホイと同様のものです。
敷地内にシロアリが好む薬剤入りエサを地中に配置します。それをシロアリが巣に持ち帰ってシロアリを殺す工法となります。
地中に薬剤を配置する時には、薬剤を交換できるように蓋をつけています。年に1回確認をして薬剤入りエサを交換します。
タームガードと同様に安全性の高い工法です。
ただし、年に1回のチェックが必要となるので費用は高めになりますが、簡易にできる構法となります。
簡易にできる工法なんですが、設置場所を間違えると効果がない工法となりますし、敷地が狭すぎるとベイト工法を設置できない場合があるので注意が必要です。
簡単にできるシロアリ対策の予防
その他には簡単にできる予防策があります。
- 家の周りに木材を置かない、荷物を置かない
- ウッドデッキを設ける場合は人工木材のウッドデッキにし、土台はアルミの土台にする
- 業者に定期的に点検をしてもらう
自分だけの力だけでは限界があるので、業者による点検もすることでシロアリ防止となります。シロアリ被害にあってからでは遅いので、予防策にしっかりと力を入れましょう。
「木造のシロアリ対策とは?」まとめ
シロアリ
- イエシロアリ
- ヤマトシロアリ
対策方法
- 防腐防蟻薬剤の散布
- 加圧注入柱
- タームガード
- ベイト工法
予防策
- 家の周りに木材を置かない、荷物を置かない
- ウッドデッキを設ける場合は人工木材のウッドデッキにし、土台はアルミの土台にする
- 業者に定期的に点検をしてもらう