こんにちは、ワンワンです。
最近のニュースで大和ハウスの施工管理技士の実務経験不備について取り上げらていました。令和元年の大和ハウスは色々と問題が出てきていますね。
国土交通省の方でもこの実務不備に対して報道発表資料を公表しています。今の時代はこのような実務経験不備(詐称)は大きな問題になります。
では、建築士の方でも実務経験の詐称はあるのでしょうか。
実は建築士の方でも実務経験詐称だけではなく、建築士詐称もあります。
今回はそんな経歴詐称、資格詐称について解説していきます。
この記事では、
- 建築関連資格の実務経験詐称、資格詐称について
1級建築士で建築業界で働いているワンワンが解説していきます。
この記事の目次
大和ハウスの施工管理技士の実務経験不備について

今回問題となっている資格が施工管理技士という国家資格です。この資格は
- 一級建築施工管理技士
- 二級建築施工管理技士
があります。実は建築以外に土木、電気など色々あります。
この資格を簡単に説明すると、現場ごとに責任者を置くために責任者には施工管理技士という資格を保持する必要があるということです。
つまり、現場監督は施工管理技士の資格が必要ですねということです。
その施工管理技師の資格を取る基準として受験資格があります。簡単にいうと
- 学歴(建築系の学校の卒業しているか)
- 実務経験(建築の施工の仕事に従事しているか)
となります。
今回はこの実務経験の不備が問題となっています。国土交通省の資料を見ると、「所定の実務経験を充足していない」とありました。
実務経験は所定の年数を経る事が施工管理技士を受験するために必要な条件となります。
今回大和ハウスの実務経験不備は、この所定の実務経験年数が足りずに嘘をついて施工管理技士の受験をしたという事です。
その人数はなんと、、、、349人!!!
さすが大きな企業、影響する人数も多いですね。
この実務経験不備である349人のうち、明らかに不正な手段で受験をしたと分かった人は施工管理技士の合格を剥奪、そして3年以内の期間の施工管理技士受験を禁止となります。
建築士受験の実務経験詐称について

実務経験詐称について
次に建築士について見ていきます。建築士も施工管理技士と同様に受験資格があります。
- 学歴(建築系の学校の卒業しているか)
- 実務経験(建築設計の仕事に従事しているか)
この学歴詐称については難しいです。
理由は受験申し込み時に卒業した学校の卒業証明を提出する必要があるからです。
受験申込書には実務経験を書く箇所があります。そこでどのような建物の設計に関わったかを書いていきます。
そしてこの実務経験についてはどのように確認するかというと、第3者のサインによって確認します。
そのため、実務経験では裏付け確認が難しいため第3者の確認となります。その第3者とは
- 所属している会社の監理建築士、または上司
- その他の建築士
となります。
では実務経験を詐称した事が明確になった場合はどのようになるでしょうか。
- 建築士を合格していた場合は合格の取り消し
- 一定期間の受験禁止
- 虚偽の実務経験を証明した第3者への処分
と厳しい罰則が待っています。
国土交通省の方針
国土交通省では平成30年12月5日に実務経験の審査。確認方法の厳格化・厳密化の方針を提示しています。そこでは、
- 第3者証明を実務を行なった「法人による証明」に限定
- 証明者に対する処分・告発を明確化
- 申告を求める実務内容を詳細化
将来、上記3項目については対策として行われる可能性が高いと思います。
建築士の詐称について

実は建築士詐称もあります。
2級建築士の人が1級建築士を取得していないけど、1級建築士と詐称しているという事です。
または資格が無い人が1級建築士と詐称しているパターンもあります。
これは1級建築士という資格取得が難しい事と2級建築士でネームバリューが無いことで1級建築士と詐称しているのではとワンワンは考えています。
住宅レベルの大きさであれば2級建築士でも問題無いですが、大きい建物になれば1級建築士が必要となります。
当たり前の話ですが、無資格の人であれば設計はしてはいけません。
2012年には積水ハウスの社員で1級建築士の詐称をした社員が9人いた事件がありました。また住友林業でも1級建築士詐称の事件がありました。
これは昔の1級建築士の証明が賞状形式のモノだったのが原因です。
1級建築士の証明の証拠を提出するときは、賞状のコピーを提出すればOKの時代だったので名前の所を変えて、コピーをして1級建築士を詐称していたようです。
建築士詐称に対しての対策は?

免許書の提示を求める
今の建築士の証明は免許書カードになっています。イメージは車の免許書と同じように顔写真付きとなっています。
この免許書カードの提示を求めしましょう。
高年齢の建築士の場合は、まだ賞状タイプの免許証しか持っていない可能性があります。そのときは賞状タイプの免許証の原本の提示を求めましょう。
建築士会で1級建築士の名簿確認
ただ今の時代は免許書カード、賞状タイプの免許証が偽造できます。
その偽造に騙されないようにするために、全国の建築士会で1級建築士の名簿確認ができます。
一般の方のみを対象に、電話対応での回答対応もしてくれます。その時に必要な情報は
- 氏名
- 登録番号
となります。その2つの情報があれば資格の有無について回答が聞けます。
事務所協会で設計事務所登録を登録簿確認
建築士会で名簿確認にプラスして、設計事務所として登録しているかどうかを事務所協会の登録簿で確認ができます。
ここで設計事務所として登録していなければ、設計の仕事をしてはいけません。設計事務所にも登録番号があるので、その番号もチェックしましょう。
「大和ハウスの施工管理技士 実務経験不備って 建築士の資格でも問題?」まとめ
大和ハウスの施工管理技士の実務経験不備
施工管理技士を受験するために必要な実務経験が足りていないことを詐称して、施工管理技士の試験を受験した事。
明らかに不正な手段で受験をしたと分かった人は施工管理技士の合格を剥奪、そして3年以内の期間の施工管理技士受験を禁止となります。
建築士受験の実務経験詐称について
実務経験を詐称した事が明確になった場合
- 建築士を合格していた場合は合格の取り消し
- 一定期間の受験禁止
- 虚偽の実務経験を証明した第3者への処分
建築士詐称、その対策
- 2級建築士 → 1級建築士と詐称
- 無資格 → 1級建築士と詐称
対策
- 免許書提示を求める
- 建築士会で1級建築士の名簿確認
- 事務所協会で設計事務所登録の登録簿確認
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