こんにちは、ワンワンです。
1級建築士の構造でモーメントの計算が出てきます。特に支点反力の計算や部材の応力計算の時ですね。そこでモーメントの計算が苦手な人が多いかと思います。
モーメントは力×距離で計算できます。
その時の距離はどこを指しているかわかっていますか?
この距離がどこの事を言っているのかをわかっていないと計算間違いとなります。特にラーメン構造の計算では、より距離がどこかを認識する必要があります。
次に回転方向が大切ですね。
時計回り(右回り)の回転方向が正(+)、半時計周り(左回り)の回転方向が負(-)ですね。
では、回転方向はどのように判断するかわかっていますか?
この回転方向を間違えると、モーメントの計算が間違いとなります。
今回はモーメントの計算が苦手とする方に対して、距離と回転方向に焦点を当てます。
この記事では、
- モーメントの計算の距離と回転方向
について、1級建築士のワンワンが解説していきます。
モーメントの距離
モーメントの式は力×距離です。
その距離の出し方の手順を言います。
- 力の作用線を引く
- 回転の中心から力の作用線に対して垂直の線を引く
- 回転の中心と力の作用線と垂直の線の交点までの長さが距離
力の作用線は力の矢印方向の線となります。この手順で書くと下図のようになります。

この手順を守って距離を出しましょう。最初は面倒くさいと思いますが、慣れてくるとこの手順を省いて距離がすぐにわかるようになります。
モーメントの回転方向
モーメントの回転方向は距離を出す時に作った垂直の線を使います。垂直の線が力によってどのように回転するかで、回転方向を決定します。

この時は垂直の線が下向きの力によって時計周りに回転しますね。符号は正(+)となります。
問題①
では問題を解いてみましょう。支点反力を求める問題です。

上図の時、支点反力を求めよ
水平方向ΣX=0は外力にX方向が無いので、省略します。
鉛直方向のΣY=0を計算しましょう。
VA+VB-P=0
最後にΣM=0を計算しますが、この時はA点を回転の中心として計算します。
まずは手順通りにして距離を出しましょう。
- 力の作用線を引く
- 回転の中心から力の作用線に対して垂直の線を引く
- 回転の中心と力の作用線と垂直の線の交点までの長さが距離
下図のようになります。

この時、VAの作用線がA点(回転の中心)を通っているので距離が0となります。
次に回転方向ですね。垂直の線がどの方向に回転するか確認しましょう。下図のようになります。

ではΣMA=0の式を作りましょう。
ΣMA=0
VA×0+P×l-VB×2l=0
VB=P/2
VA+P/2-P=0
VA=P/2
答えはVA=VB=P/2
問題②
次はラーメン構造です。

上図の支点反力を求めよ。
水平方向ΣX=0は外力にX方向が無いので、省略します。
鉛直方向のΣY=0を計算しましょう。
VA+VB-P=0
最後にΣM=0を計算しますが、この時はA点を回転の中心として計算します。
まずは手順通りにして距離を出しましょう。
- 力の作用線を引く
- 回転の中心から力の作用線に対して垂直の線を引く
- 回転の中心と力の作用線と垂直の線の交点までの長さが距離
下図のようになります。

この時、VAの作用線がA点(回転の中心)を通っているので距離が0となります。
次に回転方向ですね。垂直の線がどの方向に回転するか確認しましょう。下図のようになります。

ではΣMA=0の式を作りましょう。
ΣMA=0
VA×0+P×2l-VB×4l=0
VB=P/2
VA+P/2-P=0
VA=P/2
答えはVA=VB=P/2
「1級建築士 構造力学 モーメントの計算 距離と回転方向の求め方」まとめ
モーメントの式は力×距離
距離の出し方
- 力の作用線を引く
- 回転の中心から力の作用線に対して垂直の線を引く
- 回転の中心と力の作用線と垂直の線の交点までの長さが距離
回転方向
モーメントの回転方向は距離を出す時に作った垂直の線を使います。
時計回り(右回り)の回転方向が正(+)、半時計周り(左回り)の回転方向が負(-)
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