構造力学の問題解説

1級建築士試験 構造力学 片持ち梁の解き方

こんにちは、ワンワンです。

1級建築士試験で構造の中の計算問題、構造力学の問題を不得意にしている方が多いと思います。そんな不得意を得意科目にしてもらえたら良いなと思い、構造力学の問題を解説していきたいと考えています。

この記事では、

片持ち梁の解き方、曲げモーメント図

がわかるように1級建築士を一発合格したワンワンが解説していきます。

簡単な問題の解説の後に、1級建築士に出るレベルの問題を解いていきます。

単純梁や構造力学の基礎的なことを知りたいあなたは、こちらをお読みください。

1級建築士試験 構造力学 単純梁こんにちは、ワンワンです。 これから少しずつ構造力学の問題について解説していきたいと考えています。今回単純梁の問題について解き方を...
ワンワン
ワンワン
片持ち梁も単純梁と同様に構造力学の基礎となり、重要なところになります。

片持ち梁とは

片持ち梁とはどんな梁かと言うと、片側(A点)に固定支点を持った梁となります。そして固定支持を持った片側とは逆側(B点)は何も支持するものがありません。

この固定支点は、

  • 水平方向の力
  • 鉛直方向の力
  • 回転する力

の3つの力を拘束します。つまり、3つの力が支点反力として生じます。

この問題としては、

  • A点の固定支点の支点反力を求める
  • 曲げモーメント図を書く

の2点をこれから解説していきます。

方持ち梁の解き方

支点反力計算

片持ち梁を解く時は、単純梁の様に釣り合い式を立てて、支点反力を求める必要はありません。

単純梁の場合は、二つの支持点(ピン支点、ローラー支点)があるので二つの未知数があるため、釣り合い式を作る必要がありました。

しかし、片持ち梁では1つの支持点(固定支点)だけなので、簡単に支点反力がわかります。つまり釣り合い式を作る必要はありません。

集中荷重Pが鉛直方向にあるので、水平方向の支点反力は0になります。

鉛直方向の支点反力は、集中荷重Pと同じ力のPで、集中荷重とは逆方向の力となります。

回転方向の支点反力は、力×キョリで求めることができます。力がP、キョリがLなので

P×L=PL となります。そして回転方向は、集中荷重Pが固定支点Aを中心に時計回り(左周り)に回転しようとする力が生じます。支点反力はその逆の反時計回り(右回り)となります。

支点反力を書くとこのようになります。

ワンワン
ワンワン
片持ち梁の場合、釣り合い式を使わずに支点反力は簡単に出せますね。支点反力は問題に書き込むようにすると、ミスを無くせますよ。

曲げモーメント図

次に曲げモーメント図についてです。

曲げモーメント図を書くときのルールとして、引張側に書く(凸側に書く)というものです。ここは単純梁と同じです。まずは梁がどのように変形するか見てみましょう。

 

 

 

梁の変形がこのようになることはイメージできますね。その一部の梁を取り出すと、梁の上側が引張側(凸側)となります。

だから曲げモーメントは梁の上側に書きます。

ワンワン
ワンワン
単純梁より簡単に解けると思います。変形は物差しを握って先端に力をかけてください。そうすると変形がどのようになるか分かりやすいです。次は1級建築士試験レベルの問題を解いてみましょう。

問題

荷重PとQが作用する時、A点の曲げモーメントが0となる条件下で荷重PとQの比を算出しなさい。

片持ちの骨組みに二つの集中荷重が作用しています。そして、固定端Aの曲げモーメントが0になるという条件があります。この曲げモーメントが0という条件をうまく使えば、問題が解けそうに思いませんか。

ここにテキストを入力A点で曲げ曲げモーメントが0になるので、ここで釣り合い式を作りましょう。

ΣMA=0

P×L(時計回り) + -Q×L(反時計回り) + MA(時計回り) = 0

MAというのは、固定支点の回転の支点反力とします。時計回りで仮定しています。

そして固定端Aの曲げモーメントは0なので、固定支点の回転の支点反力も0となります。

つまり P×L -Q×L = 0

式変形して、PL=QL ここでLが両側にあるので、Lで割ると

P=Qとなります。

つまりP:Q   = 1:1

簡単に答えが出ましたね。構造力学だから難しいと考える必要がありません。実は簡単に解ける問題もあります。

ワンワン
ワンワン
このような基礎的な問題は必ず点を取れるようになりましょう。

補足説明

ここでは曲げモーメント図を書いていきます。どのような曲げモーメント図になるかやっていきましょう。まずは集中荷重を分けて曲げモーメント図を書いていきます。

荷重Pが作用する時の曲げモーメント図

荷重Pが作用するときの曲げモーメント図は上図のようになります。

まずは梁BCは、梁B点が固定支持があると考えてください。そうすると片持ち梁と同じ曲げモーメント図になります。

CD間には曲げモーメントが0なのでありません。理由としては先端Dには支点がないので、力がD点に伝わることはありません。もう一つは荷重Pの作用線に対してキョリが0だからです。

次に柱AB間ですが、ここの曲げモーメントは一定の値となります。理由としては、キョリが一定だからです。まずは図から見ていきましょう。

まずはモーメントは力×キョリとなります。力は集中荷重Pとなります。ではキョリはどうなっているでしょうか。

集中荷重Pの作用線(力の方向に引く線)を書くと、作用線は柱ABと平行になります。つま平行ということは、キョリが一定です。

だからモーメントは力×キョリ=P×L=PLとなります。そしてこれが曲げモーメントとなります。

もう一つ重要なことは、柱ABと梁BCの接合点B点です。ここの曲げモーメントは同じ値になります。それは柱と梁の接合部で曲げモーメントが釣り合うからです。

そして、曲げモーメントの回転方向は釣り合うためには、逆方向の回転となります。

ワンワン
ワンワン
モーメントの力×キョリのキョリは力の作用線からのキョリであることに注意してください。そして柱梁接合部では釣り合うので、曲げモーメントは同じ値で、かつ逆方向の回転になることに注意してください。

荷重Qが作用する時の曲げモーメント図

荷重Qが作用する時の曲げモーメント図は、荷重Pが作用する時の曲げモーメント図と同様です。

柱CD間は、C点に固定支点があると考えてください。そうすると片持ち梁と同じ曲げモーメント図になります。

梁BC間は、曲げモーメント図が一定になります。ここでも荷重Qの作用線(力の方向に引く線)を書きましょう。するとキョリがLで一定となります。力はQです。

力×キョリ=Q×L=QLとなります。

柱AB間は、荷重Qの作用線と柱ABの交差点で曲げモーメントが0になります。理由は距離が0になるからです。

そして、この交点を境目に柱の引張側が変わります。そこに注意をしてください。

荷重PとQが作用した時の曲げモーメント図

※この曲げモーメント図はA点の曲げモーメントが0になるように書いています。

荷重Pが作用する時の曲げモーメント図と荷重Qが作用した時の曲げモーメント図を合わした図になります。

ここでA点の曲げモーメントがPL-QLとなります。ここの曲げモーメントが0になるので、PL-QL=0という式になり、あとは同じ解き方になります。

ここで大事なのは、曲げモーメント図を書けるようになるということです。1級建築士試験の構造力学は選択肢の中から答えを選ぶだけなので、曲げモーメント図を書けなくても大丈夫と考える方もいると思います。

しかし、ワンワンが思うには曲げモーメント図を書けるようになった方が間違いなく正答率が上がってきます。そしてこれ以外の問題でも曲げモーメントを問われる問題があります。

難しい問題については書ける必要はありませんが、こういう簡単で基礎的な問題については曲げモーメント図を書けるようになりましょう。

「1級建築士 構造力学 片持ち梁の解き方」まとめ

方持ち梁は固定支点をもつ梁です。

固定支点は、

  • 水平方向の力
  • 鉛直方向の力
  • 回転する力

の3つの力を拘束します。つまり、3つの力が支点反力として生じます。

方持ち梁を解くときは、釣り合い式を作る必要はありません。固定支点が一つしかないので、力の方向、回転方向を考慮して支点反力を出しましょう。

曲げモーメント図は、引張側(凸側)がどちらかを確認しましょう。そして引張側(凸側)に曲げモーメント図を書きましょう。

ワンワン
ワンワン
方持ち梁の曲げモーメント図まで書けるように、何度も同じ問題を解いていきましょう。

その他の構造力学の問題解説を知りたいあなたは、こちらをお読みください。

1級建築士試験 構造力学の問題解説!こんにちは、ワンワンです。 1級建築士の学科試験で構造は30点満点と重要な科目の一つとなっています。特に構造力学が不得意で苦手意識...