こんにちは、ワンワンです。
1級建築士の構造力学の問題はよく出題される問題もあれば、あまり出題されない問題もあります。どれが出るかはわかりませんが、たまに出題される問題にも対応できるようになった方が良いです。
そんな問題の代名詞という形で力の釣り合いとなります、その問題の中身は、
- 転倒モーメント
- 静定構造
とあまり解くことが少ない問題かと思います。
こういう問題は簡単に解ける計算問題となっているので、ぜひ解けるようになって1点を確実に取りにいきましょう!
「1点を笑うものは1点に泣く」と言いますので、出題率が低い問題についても対応できるようになりましょう。
この記事では、
- 転倒モーメントの問題
- 静定構造の問題
について、1級建築士のワンワンが解説していきます。
転倒モーメントの問題

図のような剛で滑らない面の上に置いてある直方体の剛体の重心に水平力が作用する時、剛体が浮き始める時の水平力Fの重量Wに対する比α(=F/W)の値を求めよ。
直方体の剛体を指で押すと浮き上がりますよね。その浮き上がる時の水平力Fと重量Fに対する比を計算します。
まずは直方体の剛体が水平力Fによって浮きがあります。下図のようになりますね。

この時のモーメントが、F×1000=1000Fとなります。つまりこのモーメントが転倒モーメント(直方体を転倒させようとする回転力)となります。
次に転倒モーメントに抵抗する要素があります。それが直方体の重量Wとなります。
これはどのように抵抗するかと言うと、下図のようになります。

これが転倒を防ごうとする抵抗モーメントとなります。このモーメントがW×250=250Wとなります。
では、どのような時に剛体が浮き始めようとするのでしょうか。
それは抵抗モーメントと転倒モーメントが等しくなる時です。
つまり、1000F=250Wの時に剛体が浮き始めようとします。この式を変形すると、
F/W=250/1000=1/4=0.25
答えはα(=F/W)=0.25
静定構造の問題

上記の架構のうち、静定構造を選べ。
架構を静定構造かどうかを見極めるには公式を使います。
- m=(n+s+r)-2k
- m=0 静定構造
- m>0 不静定構造
- m<0 不安定
- n:反力数(支点反力の総和)
- s:部材数
- r:剛接合部材数(剛接合されている部材数-1)
- k:節点数
静定構造とは、釣り合い式(ΣX=0、ΣY=0、ΣM=0)で解ける構造となります。例えば、片持ち梁や単純梁が静定構造です。
不静定構造は、釣り合い式だけでは解けない構造となります。例えば、固定端を持つラーメン構造となります。静定構造より安定した構造となります。
不安定は、構造として成り立たないものとなります。この構造にしては危険となります
今回はこのmを計算して、m=0の静定構造を見つける問題となります。では問題を解いていきましょう。
①の架構

- n=3
- s=4
- r=0
- k=4
m=(3+4+0)-2×4=-1<0 不安定
②の架構

- n=4
- s=4
- r=0
- k=4
m=(4+4+0)-2×4=0 静定構造
③の架構

- n=4
- s=4
- r=2
- k=5
m=(4+4+2)-2×5=0 静定構造
④の架構

- n=6
- s=4
- r=2
- k=5
m=(6+4+2)-2×5=2 不静定構造
答えは②、③が静定構造
「1級建築士 構造力学 転倒モーメン、静定構造の問題を解説」まとめ
転倒モーメントの問題
抵抗モーメントと転倒モーメントが等しくなる時、剛体が浮き始める時になる。式は、
転倒モーメント=転倒モーメント
静定構造の問題
- m=(n+s+r)-2k
- m=0 静定構造
- m>0 不静定構造
- m<0 不安定
- n:反力数(支点反力の総和)
- s:部材数
- r:剛接合部材数(剛接合されている部材数-1)
- k:節点数
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