こんにちは、ワンワンです。
1級建築士の構造で出る梁のたわみ問題は出る確率が高い問題となり、出る問題のパターンがいくつかあるのも特徴です。
そんな梁のたわみ問題で、1級建築士で特徴的な問題をやっていきます。
- 一つは、重ね梁の問題
- 二つ目は片持ち梁の先端のたわみ問題(梁の中央に集中荷重)
この2つの問題解説をやっていきます。
梁たわみ問題①を読んでいないあなた、こちらをお読みください。
この記事では、
- 梁のたわみ問題
について、1級建築士のワンワンが解説していきます。
梁のたわみ問題① 重ね梁

図のような単純梁に等分布荷重wが作用した時、それぞれのたわみδA、δBの比を求めよ。ただし、梁A、Bは同一材質の弾性部材とし、自重は無視する。また、梁Bha重ね梁であり、接触面の摩擦はないものとする。
まずは単純梁に等分布荷重wが作用する時のたわみの公式を思い出しましょう。
$$たわみδ=\frac{5wl^{4}}{384EI}$$
上記の式に当てはめてまずはδAとδBを計算しましょう。まずは断面2次モーメントを計算します。
$$IA=\frac{a(2a)^{3}}{12}=\frac{8a^{3}}{12}=4IB$$$$IB=\frac{a(a)^{3}}{12}\times{2}=\frac{2a^{3}}{12}$$
IBは重ね梁ですが、接触面の摩擦はないという条件なのでa×aの断面2次モーメントを2つあるものとして、a×aの断面2次モーメント×2として計算しています。
次にIAとIBに置き換えています。これは答えは比となるので、同じIBとなれば消すことが可能となります。
次にδAとδBを計算します。公式に当てはめていきましょう。
$$たわみ δA=\frac{5wl^{4}}{384E\times{4IB}}$$
$$たわみ δB=\frac{5w(2l)^{4}}{384E\times{IB}}=\frac{5w\times16l^{4}}{384E\times{IB}}$$
これで準備が完了です。では比の計算をしていきましょう。
$$δA:δB=\frac{5wl^{4}}{384E\times{4IB}}:\frac{5w\times16l^{4}}{384E\times{IB}}$$
ここで比の式を作ったら、同じ文字と約分をしていきましょう。
$$δA:δB=\frac{1}{4}:16=1:64$$
$$答え δA:δB=1:64$$
梁のたわみ問題① 片持ち梁

図のような片持ち梁のA点に集中荷重が作用した時、先端のB点のたわみδBを求めよ。ただし、梁は全長にわたって等質等断面であり、ヤング係数E、断面2次モーメントをIとする。また、自重は無視する。
この問題では、先端に集中荷重Pが作用した片持ち梁のたわみとたわみ角公式を思い出しましょう。
$$たわみδ=\frac{Pl^{3}}{3EI}$$$$たわみ角θ=\frac{Pl^{2}}{2EI}$$
上記のたわみとたわみ角の公式を使って問題を解きます。まずは、片持ち梁A点のたわみとたわみ角を計算します。
この時、A点が片持ち梁の先端としてA点位置のたわみとたわみ角を計算します。
$$たわみδA=\frac{Pl^{3}}{3EI}$$$$たわみ角θA=\frac{Pl^{2}}{2EI}$$
そこでたわみとたわみ角を表すと下図のようになります。

ここで特徴的なのが、B点のたわみ角はたわみ角θAとなります。
ここで微小角変位の公式が使えますね。δB’=たわみ角θA×長さlです。$$たわみδB’=\frac{Pl^{2}}{2EI}{\times{l}}=\frac{Pl^{3}}{2EI}$$
ここで図からδB=δA+δB’という関係になることがわかります。
$$たわみδB=\frac{Pl^{3}}{3EI}+\frac{Pl^{3}}{2EI}=\frac{5Pl^{3}}{6EI}$$
$$答え たわみδB=\frac{5Pl^{3}}{6EI}$$
「1級建築士 構造力学 梁のたわみ問題② 重ね梁、片持ち梁のたわみ」まとめ
梁のたわみ問題① 重ね梁
単純梁に等分布荷重wが作用する時のたわみの公式$$δ=\frac{5wl^{4}}{384EI}$$
重ね梁ですが、接触面の摩擦はないという条件なのでa×aの断面2次モーメントを2つあるものとして、a×aの断面2次モーメント×2として計算
梁のたわみ問題② 片持ち梁
先端に集中荷重Pが作用した片持ち梁のたわみとたわみ角公式
$$たわみδ=\frac{Pl^{3}}{3EI}$$$$たわみ角θ=\frac{Pl^{2}}{2EI}$$
微小角変位の公式 δ=たわみ角θ×長さ
1級建築士試験の構造力学 梁たわみ問題①を読みたいあなた、こちらをお読みください。

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