構造力学の問題解説

1級建築士 構造 わかりやすい構造特性係数Dsの決め方②

こんにちは、ワンワンです。

今回は構造特性係数Dsの第二弾となります。

構造特性係数Dsの第一弾を読んでいないあなたは、まずこちらからお読みください。

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構造特性係数Dsは下記の2点を考慮して数値が決められます。

  • 部材(柱、梁、筋交い、耐力壁)の靭性能力
  • 建物の保有水平耐力に対する筋交い、耐力壁の水平耐力の割合

この2点について詳しく解説していきます。

この記事では、

  • 構造特性係数Ds

について、1級建築士のワンワンが解説していきます。

ワンワン
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構造特性係数Dsの数値を決めるための2点のことについて理解できれば、1級建築士試験の問題について解けるようになります。ぜひ、構造特性係数Dsの理解を深めましょう。 

部材(柱、梁、筋交い、耐力壁)の靭性能力

構造特性係数Dsの数値を決めるために、部材の靭性能力があるかどうかが重要となります。では、どのように部材の靭性能力を決めているのでしょうか。

実は部材を3段階、または4段階でランク付け(部材種別の選定)をしています。今回は鉄骨造と鉄筋コンクリート造を対象とします。

個々の部材では下記のようにランク付けをします。

  • 柱、梁 FA、FB、FC、FD
  • 耐力壁 WA、WB、WC、WD
  • 筋かい BA、BB、BC

Aが一番靭性能力が高い部材なり、逆にDが靭性能力が低い部材となります。関係は下図のようになります。

そして、個々それぞれの部材のランク付けをしたら各部材の代表のランク(部材群の種別)を決定します。

例えば、建物全体の部材ランクの割合から部材群の種別を計算します。

  • 柱、梁の部材種別がFA:50%、FB:30%、FC:20%であれば、部材群の種別:A
  • 筋交いの部材種別がBA:20%、BB:30%、BC:50%であれば、部材群の種別:C

という風に部材種別の割合によって、部材群の種別を3段階(A〜C)、または4段階(A〜D)と決定します。

次に個々それぞれの部材のランク付け(部材種別)について解説していきます。

鉄骨造

鉄骨造の場合は、柱、梁の部材種別と筋交いの部材種別を使用します。では、このランク付けをするための条件とは何でしょうか。

  • 柱、梁は幅厚比の大小で部材種別を決定
  • 筋かいは有効細長比の大小で部材種別を決定

上図のような関係となります。

幅厚比について知りたいあなたは、こちらをお読みください。

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鉄筋コンクリート造

鉄筋コンクリート造の場合は、柱、梁の部材種別と耐力壁の部材種別を使用します。このランク付けをするための条件は下記となります。

  • 柱は、内法高さ/柱せい、軸応力度/コンクリート強度、平均せん断応力度/コンクリート強度、引張鉄筋比の規定値によって部材種別を決定
  • 梁は、平均せん断応力度/コンクリート強度の規定値によって部材種別を決定
  • 耐力壁は、平均せん断応力度/コンクリート強度の規定値によって部材種別を決定
  • ただし、柱梁はせん断破壊、付着割裂破壊、圧縮破壊をする場合はFDとなる。耐力壁はせん断破壊をする場合はWDとなる。

上記のような関係となります。

建物の保有水平耐力に対する筋交い、耐力壁の水平耐力の割合

建物の保有水平耐力に対する筋交い、耐力壁の水平耐力の割合が構造特性係数Dsを決める重要な要素となります。

$$βu=\frac{筋交い、耐力壁の水平耐力の和}{建物の保有水平耐力}$$

上記のようにβuという形で表現しています。このβuが高いと筋交い、耐力壁の水平耐力が建物の保有水平耐力に対して大きくなります。

簡単に例を挙げると

  • βu=0.5の場合、筋交い、耐力壁の水平耐力の和が、建物の保有水平耐力の50%。
  • βu=0.3の場合、筋交い、耐力壁の水平耐力の和が、建物の保有水平耐力の30%

このように筋交い、耐力壁の水平耐力の建物全体に対する割合がわかるようになります。では、これがどのように靭性能力と結びつくのでしょうか。

筋交い、耐力壁の水平耐力が大きくなればなるほど、建物は強度が高く変形が小さい構造となります。つまり靭性能力が低い建物となります。

逆に筋交い、耐力壁の水平耐力が小さくなればなるほど、建物は強度が低く変形が大きい構造となります。つまり靭性能力が高い建物となります。

構造特性係数Dsの決定方法

条件をまとめると、柱、梁、耐力壁の部材種別と 建物の保有水平耐力に対する筋交い、耐力壁の水平耐力の割合βuの組み合わせで構造特性係数Dsを決定します。

鉄骨造の構造特性係数Ds

下記の条件とします。

  • 柱、梁の部材種別がA
  • 筋交いの部材種別がB
  • βu=0.5

表から構造特性係数Ds=0.30となることがわかります。

鉄筋コンクリート造の構造特性係数Ds

下記の条件とします。

  • 柱、梁の部材種別がC
  • 耐力壁の部材種別がB
  • βu=0.8

表から構造特性係数Ds=0.50となることがわかります。

この表を見てわかることは、

  • 部材種別がAからDになると、構造特性係数Dsが大きくなる。
  • βuが大きくなると、構造特性係数Dsが大きくなる

という関係がわかりますね。

「1級建築士 構造 わかりやすい構造特性係数Dsの決め方②」まとめ

鉄骨造の構造特性係数Ds

鉄筋コンクリートぞうの構造特性係数Ds

構造特性係数Dsの第一弾を読みたいあなたは、こちらからお読みください。

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