こんにちは、ワンワンです。
鉄筋コンクリート造のせん断補強筋比を計算する問題がたまに出題される時があります。
ちなみにせん断補強筋比は帯筋比(柱の場合)、あばら筋比(梁の場合)、壁の横筋比があります。
今回は柱の帯筋比と梁のあばら筋比の計算方法を解説していきます。
この記事では、
- 鉄筋コンクリート造のせん断補強筋比の計算方法
について、1級建築士のワンワンが解説していきます。
柱の帯筋比の計算
問題
700mm角の柱に主筋D22、帯筋をD13を100mm間隔で配置した。これは正しいか誤りかを判断せよ。ただし、D22の断面積は387mm2,D13の断面積は127mm2とする。
解答
まずは帯筋比の式を解説します。
$$pw=\frac{aw}{b・x}≧0.20%$$
- pw:帯筋比
- aw:帯筋の合計断面積
- b:柱幅
- x:帯筋のピッチ
帯筋比は0.20%以上必要という決まりがあります。
下図に鉄筋コンクリート造の柱断面図で主筋、帯筋の説明です。

今回の問題では主筋本数が分かりませんので主筋本数を仮定しています。この問題では、帯筋比が0.20%以上あるかどうかを問われる問題となります。
そしたらaw:帯筋の合計断面積を計算しましょう。
帯筋はD13の鉄筋が使われているので、断面積は127mm2と問題文からわかります。では帯筋の本数は何本でしょうか。
帯筋の本数は2本となります。
柱の帯筋本数は地震力の方向によって本数が変わります。地震力の方向と同じ方向の本数を帯筋本数として数えてください。
下図は問題とは違う柱断面の時のと一例となります。

この問題では特に本数を指定されていないので、基本の2本があるという仮定で問題を解いてもらってOKです。
ではaw:帯筋の合計断面積を計算しましょう。
$$aw={2×127=254mm}^{2}$$
次にx:帯筋のピッチですが、問題文から100mm間隔と指定されているのでx=100となります。
最後にb:柱幅です。これは地震力の方向に対して直交の幅を柱幅とします。今回は正方形断面であること、また地震力の方向は指定されていないのでb=700となります。
- aw:257mm2
- b:700mm
- x:100mm
$$pw=\frac{257}{700・100}=0.363%$$
pw=0.363%≧0.20%以上となったので、正しいですね。
梁のあばら筋比の計算
問題
350mm×700mmの梁に主筋D19、あばら筋をD10を150mm間隔で配置した。これは正しいか誤りかを判断せよ。ただし、D19の断面積は287mm2,D10の断面積は71.3mm2とする。
解答
まずはあばら筋比の式を解説します。
$$pw=\frac{aw}{b・x}≧0.20%$$
- pw:あばら筋比
- aw:あばら筋の合計断面積
- b:梁幅
- x:あばら筋のピッチ
あばら筋比は0.20%以上必要という決まりがあります。
柱の帯筋比と同じ式となりますね。
下図に鉄筋コンクリート造の梁断面図で主筋、あばら筋の説明です。

今回の問題では主筋本数が分かりませんので主筋本数を仮定しています。この問題では、あばら筋比が0.20%以上あるかどうかを問われる問題となります。
そしたらaw:あばら筋の合計断面積を計算しましょう。
あばら筋はD10の鉄筋が使われているので、断面積は71.3mm2と問題文からわかります。ではあばら筋の本数は何本でしょうか。
あばら筋の本数は2本となります。
梁のあばら筋本数は縦方向にある本数を計算しましょう。

この問題では特に本数を指定されていないので、基本の2本があるという仮定で問題を解いてもらってOKです。
ではaw:あばら筋の合計断面積を計算しましょう。
$$aw={2×71.3=142.6mm}^{2}$$
次にx:帯筋のピッチですが、問題文から150mm間隔と指定されているのでx=150となります。
最後にb:梁幅はb=350となります。
- aw:142.6mm2
- b:350mm
- x:150mm
$$pw=\frac{142,6}{350・150}=0.271%$$
pw=0.271%≧0.20%以上となったので、正しいですね。
「1級建築士 構造 鉄筋コンクリート造のせん断補強筋比の計算方法」まとめ
$$pw=\frac{aw}{b・x}≧0.20%$$
- pw:帯筋比、あばら筋比
- aw:帯筋の合計断面積、あばら筋の合計断面積
- b:柱幅、梁幅
- x:帯筋のピッチ、あばら筋の面積