こんにちは、ワンワンです。
鉄骨造では幅厚比という数値が構造計算に大きく影響されます。
耐震計算ルート1-2、2では必ず幅厚比を規定値以内にするようにしなければいけないですし、耐震計算ルート3では構造特性係数Dsに影響を与えます。
それだけ重要な指標となる幅厚比とはなんでしょうか。
この幅厚比は1級建築士試験でも出題される項目となるので、ぜひ理解しましょう。
この記事では、
- 鉄骨造の幅厚比
について、1級建築士のワンワンが解説します。
幅厚比とは
鉄骨造の幅厚比とは、柱や梁の厚みに対する寸法比を言います。下図のように幅厚比の寸法位置が決められています。


この幅厚比は鉄骨部材の寸法によって決められています。
鉄骨部材は厚さが小さいため局部座屈がしやすい部材となるので、部材が局部座屈をすると部材耐力が低下して変形能力が小さくなります。
局部座屈とは部材に圧縮力が生じた場合、鉄骨部材の薄い厚みのところが局部的に変形が起こることです。
そこで、幅厚比という数値を使って、部材の局部座屈のしやすさ、変形能力の高さを評価する数値となっています。
つまり、局部座屈がしにくい、かつ変形能力が高い部材が構造性能の高い部材となります。では構造性能が高い部材の幅厚比はどうなるでしょうか。
実は幅厚比が大きい数値になればなるほど、局部座屈がしやすく、変形能力がない部材となります。
逆に言うと幅厚比が小さい数値になると、局部座屈がしにくい、変形能力がある部材となります。
幅厚比の部材ランクは下図のように決まっています。
幅厚比、部材ランク、構造特性係数Dsの関係を表現すると下図のようになります。

まずは例題から幅厚比を見てみましょう。
例題


ここでわかることは幅厚比が小さい方が部材ランクがFD→FAランクとなり、局部座屈がしにくい、変形能力が高い部材となります。
またH型鋼の場合、フランジの幅厚比よりウェブの幅厚比の方が数値が大きくなります。
「1級建築士 構造 鉄骨造の幅厚比とは」まとめ

- 強度の高い部材を使用する場合は、幅厚比の規定される数値が小さくなる。
- H型鋼の幅厚比はフランジよりウェブの方が大きい数値となる。
構造特性係数Dsについて知りたいあなたは、こちらをお読みください。

