構造力学の問題解説

1級建築士試験 構造力学 不静定梁の問題

こんにちは、ワンワンです。

構造力学の問題解説をやってきましたが、今回は不静定梁の問題についてやっていきます。今までは静定梁の問題でしたが、不静定梁になると何が違うんでしょうか。

それは今までは釣り合い式だけで解けていた問題が、釣り合い式プラスアルファの計算式が必要になってきます。

そのプラスアルファの計算式は、今までやったたわみの公式を使って問題を解いていくことになります。

この記事では、

  • 不静定梁の問題

について1級建築士レベルの問題をワンワンが解説していきます。

ワンワン
ワンワン
不静定梁の問題でも一つ一つは、今まで解説してきたことを使えば解ける問題です。

不静定梁の問題

ヤング係数Eと断面2次モーメントIの等質等断面梁に等分布荷重wが作用している。(図-1)図-2は片持ち梁に等分布荷重が作用した時のたわみ、図-3は片持ち梁に集中荷重が作用した時のたわみを示している。

下記の問題について答えよ。

  1. A点の支点反力を求めよ
  2. B点の曲げモーメントを求めよ
  3. 曲げモーメント、せん断力が0になる位置を求めよ

今回はたわみの公式が出ているのでこれをうまく使って問題を解いていきましょう。

ワンワン
ワンワン
たわみの公式は必ず覚えてくださいね。たわみの公式を覚えて使いこなせるようになれば、不静定梁の問題を解けます。

たわみの問題、公式について知りたいあなたは、こちらをお読みください。

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①A点の支点反力を求めよ

まずはA点の支点反力を求めたいですが、分からない支点反力がB点の固定支点で3個(鉛直、水平、曲げ)、A点のローラー支点(鉛直)で1個あります。

未知数が4個あるのに対して、釣り合い式は未知数3個の式となります。このままでは解けません。

そこでヒントの図-2と図-3をうまく使って、A点の支点反力を計算しましょう。

まず図-2はA点のローラー支点が無い場合、等分布荷重が作用する片持ち梁になります。そしてたわみが16wL(4)/8EIですね。

次に図-3についてです。A点のローラー支点には鉛直反力があります。その鉛直反力はA点に作用するのでA点の支点反力をPとします。その時の片持ちはりのたわみが8PL(3)/3EIとなります。

そして図-1のA点にはローラー支点があり、梁がたわむことはありません。そこで言えることは図-2のたわみ16wl(4)/8ELと-図3のたわみ8PL(3)/3EIが同じであれば、たわみが0になり、図-1と同じ状態になります。

ここでA点の支点反力はPなので、Pついて解けばA点の支点反力が求まります。

図-2 たわみ δ1 = 図-3 たわみ δ2

16wL(4)/8EI = 8PL(3)/3EI    この式をPについて計算する。

P = 3/4wL      ( )は乗数を示す。

答えは3/4wL

②B点の曲げモーメントを求めよ

B点の曲げモーメントを求めるには、B点に曲げモーメントを仮定して釣り合い式を解きます。下図を見てください。

まずB点にMBという曲げモーメントを時計回りに仮定します。そしてB点でΣMB=0の釣り合い式を解けば、MBが求まります。

ΣMB = 0    曲げモーメントは力 × キョリですね。

MB + w × 2L(2)/2 – 3/4wL × 2L = 0

MB = -wL(2)/2   ( )は乗数を示す。

MBの結果がマイナスになったので、回転方向は逆時計回りになります。

答えはwL(2)/2  逆時計回り

曲げモーメント図は下図のようになります。

  • B点の曲げモーメントは逆時計回りにより上側引張となります。
  • A点はローラー支点なので曲げモーメントは0になります。
  • 梁中央辺りは等分布荷重wが作用しているので下側引張になることは予想できます。

③曲げモーメント、せん断力が0になる位置を求めよ

この問題についてもB点の支点反力を求める必要はありません。この問題に対しては、まずA点を含む一部を取り出します。

そしてそのキョリをXと仮定します。そして切断した先(A点の逆側)には曲げモーメントとせん断力が生じることはわかるので、MX(時計回り)とQX(上方向)と仮定します。

ここで釣り合い式を立てます。そして問題の曲げモーメント、せん断力が0になる位置を求めたいので、MX=0、QX=0になる時、xについて解けば良いですね。

せん断力0になる位置

ΣQX = 0 

QX -wX +3/4wL = 0  

せん断力が0になる位置を求めるのでQX=0になる。

wX = 3/4wL  →  X = 3/4L

曲げモーメント0になる位置

ΣMX = 0

MX + w × X(2)/2 – 3/4wL × X = 0  

曲げモーメントが0になる位置を求めるのでMX=0になる。

wX(2)/2-3/4wLX=0   →  X(wX/2 – 3/4wL) = 0

( )は乗数を示す。

この式から分かるのはX=0、または、(wX/2 – 3/4wL)が0になれば

X(wX/2 – 3/4wL) = 0になります。X=0の時はA点のローラー支点で曲げモーメントが0になりますね。

wx/2 – 3/4wL =0  →  x = 3/2L  A点から3/2Lの位置が曲げモーメント0になります。

答えはせん断力が0になる位置は3/4L、曲げモーメントが0になる位置は3/2L

では本当にせん断力が0になるか、曲げモーメントが0になるか確認してみましょう。

せん断力の確認

ΣQx = 0

QX – w × 3L/4 + 3/4wL = 0

QX – 3/4wL + 3/4wL =0

QX = 0

曲げモーメントの確認

ΣMX=0

MX + w × 3/2L × 3/4L – 3/4wL × 3/2L = 0

MX + 9/8wL -9/8wL = 0

MX = 0

補足説明

B点の支点反力

B点の支点反力を計算してみましょう。釣り合い式を立てます。水平方向は0になるのは分かるので省略します。

ΣY = 0

VB – w × 2L +3/4wL = 0

VB – 2wL + 3/4wL =0

VB = 5/8wL

ΣM = 0

MB +w × 2L × L – 3/4wL × 2L = 0

MB +  2wL(2) – 3/2wL(2) = 0

MB = – wL(2)/2

せん断力図

曲げモーメント図

曲げモーメントの最大値

曲げモーメントが0になる位置を計算する時に作った式を使います。MXは0の時ではなく最大値なので、曲げモーメントの最大値をMXとします。

wX(2)/2-3/4wLX=MX

w/2{X(2) – 3/2LX} = MX

w/2{X – 3/4L}(2) – 9/32wL(2) = MX

この式を見ると高校の時に習った2次関数の式を思い出しませんか。この場合は0≦X≦2Lの範囲で考えます。曲げモーメントは下側にプラスとして考えるので、最小値は曲げモーメントの最大値として考えます。

X – 3/4L = 0 つまり、X = 3/4Lの時、MXの最大値は9/32wL(2)となります。

そしてX = 3/4Lは、せん断力が0になる位置で曲げモーメントが最大になることを示しています。

「1級建築士試験 構造力学 不静定梁の問題」まとめ

ローラー支点反力を求める場合は、たわみの公式を利用して計算しましょう。

ローラー支点が無い場合の片持ち梁のたわ = ローラー支点の支点反力のみの片持ち梁のたわみ

固定支点の曲げモーメントは、固定支点の反力全てを求める必要はありません。固定支点部の曲げモーメントの釣り合い式で解けます。

曲げモーメント、せん断力が0の位置は、ローラー支点から一部を取り出しましょう。その時は、キョリをXと仮定して釣り合い式を立てて計算しましょう。

ワンワン
ワンワン
不静定梁の問題でも、釣り合い式とたわみ公式が出来れば解けます。一つ一つをしっかりと解く練習こそが構造力学で点数を取れる秘訣になります。 

その他の構造力学の問題をチェックしたいあなたは、こちらをお読みください。

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